歌唱:霜月はるか
作詞:霜月はるか, 日山尚
作曲:霜月はるか
編曲:中河健
休止状態にある塔を活動状態に戻す詩で、これを謳うことで塔の全機能が復帰する。自らが犠牲となって塔の機能 (電源) を落としミュールの復活を阻んだシュレリアを目覚めさせた、この詩のテーマは『希望』『再生』。
高き高き星降る山より、一羽の鳥が舞い降りる
白く、純白より白く輝く羽根を纏ひて、
その目は遙か遠く、希望の未来をしかと見定めていた
二度と見ることが無いと思っていた眩しい光
永久に封印される定めの書庫、その一角にある禁断の本
幾千年もの間、この本が我の姿だった
幾千年もの間、この書庫で呻きを上げていた
我が声があった
今その我が、光降り注ぐ大地に両足をつけ、
長い黒影の華奢な身体を風に靡かせ
手のひらを光に透かし、おもむろに口を開き
歌い始めている
何千年ぶりの歌は、震えた声で辿々しかった
だが、それを受け入れてくれる者がいた
それは純白の鳥を肩に載せし若い騎士
お前が私の封印を解いたのか?
そして、魔王を倒したというのか?
憶えているとも
我が口が輸し、家路に就かせてしまった青い騎士
まさか再び逢おうなどとは思いも寄らなかった
この地に足をつき、手と手を取り合って逢おうなどとは
辛かった、苦しかった、呪われし日々の記憶
涙が出るほど嬉しい、この世界への再生
だが騎士よ、お前には護るべきものはなかったのか?
その身、朽ち果てるやもしれぬ我の開印行うなど
その白き鳥のように、唯気ままに生きるのみなのか
騎士は答えた
私は唯気ままに生きる身だった
だが今は違う
貴方の封印を解いたとき、一つの呪いにかかってしまった
我が為に呪いを受けてしまったというのか
そう、永久に貴方と共に生きたいという、幸多き呪いに
願はくば この詩を呼び聞かせ給へ
緩く吹く暁の風となりて
微睡む命 凍れる夢に
漂ひて迷へる人 解き放ち給へ
天伝ひ来る鳥は 日方に直向かふ
白に鮮やぐ翼
さきに希望の明日 伝へて
命の再生を謳いましょう
耀ふ日 目陰さし響かせる謳は
緩く吹く黎明の風となりぬる
生まるる命 寝覚めの夢に
漂ひて迷へる人 守らひ給へ
留まらず行く鳥は 日方に直向かふ
溢るる光の中
羽根に想いの灯を纏ひて
命の再生を謳いましょう
命の再生を謳いましょう